<<拍手サービス話より:「夜更けに」>>
−なるとも様オエビイラストにイメージを頂きました−



(・・・蒼い・・・)


ふと、夜中。目が覚めて。
部屋の中が月明かりで深い藍色に染まっているわ。

すぐ近くに、眠る貴方の洗いざらした金色の前髪。
その向こうに 伏せた長い睫毛が見えて。
安らかな、貴方の寝息だけが耳元に聞こえている・・・

ふたりで一つのブランケットに包まれて眠る幸せ。
肌を重ねたときは違う体温だったのに、もうなじんだのかな・・・
ひとつになってるよね って 思って ちょっと照れちゃう。

あれからどれくらい時が経つのかはわからない。
眠りにつくときから 私はずっと貴方の腕の中で。
今、目を覚ましても、それはずっと変わっていないの。

貴方の両腕に私はすっかり包み込まれていて。
ちょっと首を動かしても、私の長い髪も抱かれていて 
引きつれちゃって、思わず苦笑い。
(動けない・・・)
でも、それって とても幸せ。
愛されてるんだ・・・って 実感がわいてくるの。
そう思ってても いいよね?

私は遠慮がちにちょっとだけ身じろぎする。
広い背中に、もういちど手を回して・・・
きゅ、て 抱きしめたいけど、起こさないように そっとね。

よかった。まだ眠ってるみたい。
私も、また 瞳を閉じて 今の幸せに 浸ろう・・・





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