「遥かなる想い」:美波様 作


愛しすぎて苦しい。
恋愛をしている者はよくこの状態に陥るという。
私自身にいたっては絶対にそんなことはないと思っていた。

・・・・・しかし。
私も(信じられないことなのだが)いままさに「愛しすぎて苦しい」状態にある。
蘭世。
彼女のことを思うと胸が苦しくて仕方ない。
自分でもどうしようもないくらいに私は彼女を愛している。
 
私は一体いつから彼女のことをこんなにいとおしく思うようになったのだろう。

彼女との初めての出会いは「夢の中」だった。
疲れが溜まっていたのか珍しくうたた寝をしてしまった私の夢の中に彼女が出てきた。
一目見た瞬間「彼女だ」と思った。
彼女こそが先祖も愛した女性「ランジェ」の生まれ変わりに違いない。
そう思った。
「私たちはこうしてまた巡り逢うために生まれてきたのだ」そう確信した。
私のほうが多少年上だとかそんなことはどうでもよかった。
とにかく彼女の存在そのものが私を強くひきつけたのだ。

運命。
そう、それは運命としかいいようがない。
先祖も愛した女性を私もまた愛するように運命付けられていたのだ。
私はただただ彼女に夢中になっていった。

けれど、「運命」というヤツは残酷で、私は彼女を想っているのに、彼女は私を想ってはくれなかった。
彼女の「想う」相手はただ一人。
真壁俊。
私の・・・・そう私の「恋敵」だ。

私にはその事実が耐えられなかった。
私のほうが金も地位もある。ルックスだって決して悪くはない。
なのに・・・・・なぜ蘭世は私のほうを向いてはくれない?
一体なぜ・・・・

今まで私は何一つ不自由ない暮らしをしてきた。
金で買えないものは何一つなかった。
私が望めば金で女の愛を買うことだって簡単にできた。
けれど、蘭世に出逢って、彼女に恋をして「金では買えないものがある」ことを思い知らされた。
私がどんなに望んでも、どんなに金を積んでも決して買うことができないもの。
それは。
「蘭世の愛」
蘭世が私を愛するという気持ち、これだけは金で買うことができない。
そしてこれからも決して手に入れることができないであろうモノ・・・

私だって一人の人間として俊に嫉妬したこともあった。
蘭世の愛を存分に受けることのできるヤツを「羨ましい」とさえ思っていた。

だが、今は違う。
蘭世が俊を愛するならそれでいい。
蘭世が俊と一緒にいて幸せになれるならそれでいい。
蘭世が幸せになるためなら私は黙って身を引こう・・・・

蘭世。
私はお前を愛している。
私はお幸せそうに笑っているお前を見るのが大好きなのだ。
お前の幸せこそが私の幸せ。

どうか俊と幸せになって欲しい。
どうか・・・・



私の願いはどうやらかなえられたようだ。蘭世は今、俊と結婚し子どもまでいる。
彼女は妻として母として強くそしてとてもきれいな女性になった。
私はそんなお前をいつまでも天上界から応援している。
「蘭世、いつまでも幸せに・・・・」



「ん??」
「どうした?」
「・・・何でもない・・」
「?・・・変なヤツ・・・・」
「なによぉぉ〜〜〜」
「どうせ腹でも減ったんだろ」
「そんなことないもん!!」
「分かった分かった。なんかうまいもんでも食いにいこう。」
「え!!嬉しいな〜〜〜」

蘭世と俊の楽しそうな会話がここまで聞こえてくる。
私はいつまでもそんな二人の姿を見ていたい。
今は素直にそう思う。


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う〜〜ん・・・・・
なんてコメントしたものやら。
自分で書いたのにまとまりのないまま終わってしまいました(苦笑)
設定としてはカルロ様が蘭世と俊を天上界から微笑ましく見守ってる感じです。
(「ときめき」のイメージをぶち壊しにしてないといいなぁ)
カルロ様は大人だし、きっとこう思ってるんだろう!!!
蘭世が幸せなら彼も幸せなはずだ!!!という私の独断と偏見で書き上げました。
読んでくだされば嬉しいです。

                     美波

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悠里のコメント:


ほおっ・・・v
ちょっぴり切なくて。でもなんて穏やかなのでしょう・・・。
美波様、大丈夫ですっ。「ときめき」のイメージそのもののカルロ様ですよぉ!
カルロ様の愛、ってとても大きくて広くて穏やかなんですよね。
自分のエゴを乗り越えた広い愛。
天上界から愛しそうに、でも穏やかに蘭世ちゃんを見つめるカルロ様の表情が
見えてくるようですv
そして、そんな優しい視線に蘭世ちゃんも時折気づいてるみたいな
会話に萌え・・v

美波様、当サイトへお話をお寄せ下さり本当に有り難うございました!




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