アルバムを開くと君の笑顔が目に飛び込んでくる。
今の私にとって誰よりも愛しい君。
君の姿を見るのが何よりも楽しみだった。
君の愛くるしい笑顔はどんなに私の心を和ませてくれたことか。
けれど。
明日、君は私の手を離れてしまう。
それはとてもうれしい半面少し切ない気がする。
だからこそ今夜は君の思い出に浸ろうではないか。
君が初めて僕の前に現れたとき、私はこう思ったよ。
「なんて可愛らしいんだ」
あくびをしても、しゃっくりをしても、例え泣いていても君は誰よりも可愛かった。
私は君の全てに夢中になっていたよ。
決して君のそばを離れようとしない私の姿は、傍からみたらさぞかし怪しかっただろうな。
覚えているかい?
君はお母さんに似たのか、とても活発な少女だったことを。
いつも外で遊んでいたね。
暗くなっても帰ってこない君に私がどれだけハラハラさせられたか、君は知らないだろう。
君はスポーツが大好きで、運動会は前の日からとても楽しみにしていたね。
足がとても速くて、かけっこはいつも一番だった。
一等の旗のそばでピースをしている君の写真。
これは私の宝物だ。
けれど、君は勉強が好きだったとは言えないな。
数学はいつも赤点ギリギリだっただろう。
これは私に似たのだろうか?
私自身は決して頭が良かったとは言えないから、君のことは言えないな。
勉強が多少出来なくても、君はいつも人気者だった。
心優しくて芯の強い少女だった君。
そんなところはお母さんに良く似ている。
そんな君たち母娘を私はとても誇りに思っている。
ああ、こうしていると君との思い出がどんどん胸に蘇ってくる。
私がどんなに君のことを好きだったか、言葉で表すのはとてもとても難しい。
とても照れ屋な私だから面と向かって「大好きだよ」と言うことが出来なかった。
けれど、これだけは忘れないで欲しい。
私は君を心から愛している。
いつまでも君を愛している。
君がこの先どんな道を選ぼうとも、君の信じた道をまっすぐ歩んで行って欲しい。
愛良。
君が私の娘で生まれてくれて本当に嬉しかった。
君と君を生んでくれた妻、蘭世。
私は君たちを愛している、誰よりも。
愛良、君は明日私の元から離れてしまう。
君が愛した人と一生幸せに暮らして欲しい。
それが私の願いだ。
明日、君の花嫁姿を見たとき、私は泣くのだろうか。
そんな自分を想像するとなんだか笑えて仕方ない。
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・・・・・・・
俊の目から見た「娘の結婚式前夜」を描きたかったのですが。
難しくて途中放棄してしまいました。(で、こんなまとまりのない終わり方でごめんなさい)
たまには父親俊も悪くない!?ですよね?????
うん。
美波
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悠里のコメント:
俊パパって、素敵ですよね!!
昔から照れ屋な所は変わっていないけど、
やっぱり大人になって、そして父親になったからでしょうか
原作を読んでいても俊パパは自分の心を素直に表現することができるようになってるなぁと
(「星のゆくえ」 あたりなんか特にv)
思っていたのです。で、このお話でもそんな感じが出ていて素敵でした〜
子供を思う親の気持ちって、大きくて温かいですね。
おもわずじんわりしました・・・vv
今回も美波様のお人柄が現れているのでしょう、
温かい、深い愛情にあふれた作品ですv
美波様、今回も本当に有り難うございました!
これからも、どうぞよしなにvvvvv
悠里 拝
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