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『Please Find Me』:美波様 作

☆:このお話は『思い出の場所を探して』と 対になっています。比べてみても面白いかも。


「私を探さないで下さい。」
朝起きたらこんな書置きを残してアイツがいなくなっていた。

一瞬「何が起こったのか」俺にはわからなかった。
昨日まで普通に一緒に暮らしていたはずなのに。
特に喧嘩をした覚えもない。
昨日もいつもどおりジムで練習をして家に帰った。
家に帰るとアイツは「お帰りなさい」と微笑んでくれた。
特に何も変わらないはずだった。
・・・・・いや、昨日は「話」を聞かなかった。

朝出掛けにアイツが「話したいことがある」といっていた。
その時、俺はとても急いでいたので「話は夜聞く」といって出かけてしまった。
そしてそのまま「話を聞く」ことを忘れていた。

アイツは一体俺に何を話したかったんだ・・・・・?

「とにかく」
俺はアイツを探すことにした。

顔を洗い、その辺にあった服を適当に着て、俺は家を飛び出した。
家を飛び出してから朝飯を食っていなかったことに気がついた。
だが、アイツがいない部屋で朝飯を食う気にもならなかった。
いつのまにか、アイツが飯を作ってくれることが当たり前になっていたこと。
そんな事にいまさら気づいた。
俺はアイツがいないと生きていけない・・・・・・


俺はまず、江藤家に連絡をとることにした。
アイツが行きそうな場所といえばまずは実家だろう、と思ったのだ。
けれど、その期待はアッサリ裏切られた。
電話をしてみると「帰ってきていない」と親父が教えてくれた。

友達の家にも、あいつが好きなケーキがある喫茶店にも、もちろん俺の通っているジムにも
アイツはいなかった。


俺は途方にくれていた。
探す当てのあるところは全部探した。
けれど、アイツはどこにもいなかった。
後はどこを探せばいいのだろう。


俺は握り締めてグシャグシャになってしまったメモをもう一度開いてみた。
「・・・???」
そこには豆粒ほどの小さな文字でこう書かれていた。

「二人の思い出の場所で待ってます」

二人の思い出の場所・・・・????

どこだ・・・・それは・・・・・



「・・・・ようやく見つけた・・・・・・・全く手間かけさせやがって。」
「ごめんなさい・・・」
二人の思い出の場所、彼女がいたその場所はあけぼの中学校。
あのころ俺たちが机を並べていたあの教室にアイツはいた。

「2人が初めて出会った場所に来たかったの・・・・なぁぁぁんてね」
そう言って江藤は笑った。
まるでいたずらを見つけられた幼い子どものような、泣くのに失敗して無理に笑って見せたような、
そんな笑い方だった。

「お前なぁ・・・・・(どれだけ人が心配したと思ってんだ!!)」
肝心な一言が言えなくて、ついぶっきらぼうな物言いになってしまう。
「ごめんね、心配かけて」
「いや・・・・」
江藤の顔を見たらそれまでの苛立った気持ちはどこかへ消えてしまった。
(俺はやはりこいつに惚れこんでいるんだ)
そう思った。
その想いを素直に口に出せない自分が本当にもどかしい。

「真壁君?怒ってる????」
心配そうな顔をして江藤が俺に問い掛ける。
「怒ってなんかねえよ。それよりも。何でこんな真似したんだ!?」
そう、これが一番聞きたかったこと。
何で江藤はあんな書置きを残して家を出たんだ?

「えとね・・・・あのね・・・・・・」
「なんだよ」
「真壁君が・・・・」
何かを言いかけてやめる。そんな調子を何度か繰り返した後、覚悟を決めたように彼女はこう言った。

「真壁君が本当に私のことを好きか分からなくなっちゃったの」
「・・・・!?」
江藤の話を要約すると、俺がバイトだのボクシングだのと忙しそうにしていて江藤と向き合うことが少なくなった。
だから、自分を好きでいてくれているか分からなくなってしまった。
それで、俺の気持ちを試すためにこんな行動に出た、ということだった。

その話を聞いて、俺は自分の大きな過ちに気づいた。
俺は言葉にしなくても、江藤は俺の気持ちを分かっていてくれるものだと勝手に思っていた。
だが、本当はそんなことは無かった。
言葉にして伝えないと伝わらない気持ちがある。
当たり前に思っていたけれど、実はとても大切なこと・・・・・・
「好きだ」と言葉にして伝えること。

想いは言葉にしないと伝わらない

「わるかったよ」
「え・・・?」
「俺が、悪かった」
「真壁君・・・?」
江藤が驚いたような顔をして俺を見ている。
そんな彼女を見て、俺は今度こそ自分の本当の気持ちを言葉にして伝えよう。
そう心に決めた。


「好きだ・・・・・誰よりも。お前がいないともうやっていけない」


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

予定よりも長くなりました(汗)
「思い出の場所を探して」(カルロ様版)の王子バージョンです。

これはこれで・・・・・楽しんでいただけると嬉しいです。

美波

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悠里よりコメント:

カルロ様聖誕祭に美波様がお寄せ下さった作品『思い出の場所を探して』の
対となる作品・・・真壁君版、いただきましたv
(と 言いましょうか 一般的にはこちらが正統派で カルロ様の方がバリエだと
いうのが正解なんでしょうね(^-^;)


なかなか好きだとは言わない彼から、”好きだ”の言葉をゲットできた
蘭世ちゃん。我慢しないで たまには拗ねてみるのもいいもんですよねv

美波様、本当にありがとうございました!          悠里





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